プロ野球選手のその後8

(続き)

そんな状況にあった2004年、奥村選手は、会計士という仕事があることを知りました。

「簿記の知識をもとに、ビジネスのスペシャリストとして活躍できる」といううたい文句に、思わず鼓動が高鳴るのを感じたと当時を振り返っています。

「俺、簿記やってたな」と思い出したのもこの頃。野球に打ち込んでばかりいましたが、出身高校はなんといっても土岐「商業高校」。

学校の方針として、全ての生徒を簿記検定2級に合格させるという動きがあったのです。奥村選手もその方針に従って、高校2年時には簿記2級に合格していました。この、「簿記」というキーワードが、奥村選手のスイッチを入れたのです。

 

「会計士になれば、経営のサポートができる。ビジネスやお金に詳しくなれば、選手のセカンドキャリアもサポートできる。自分のような境遇の人も、救うことができる」

当時、そう考えていくようになったのを今でも覚えているそうです。