WBC2017 ⑦

(続き)

この2強に取って代わるようにして台頭してきたのが、プエルトリコとオランダです。
プエルトリコは、2大会連続してWBC準優勝に輝き、今大会は決勝戦でアメリカに敗れるまで7連勝を飾りました。アメリカ自治領という立場から、人材の流出に悩まされウインターリーグは年々縮小されているものの、アイデンティティの強さはナショナルチームへの忠誠心を醸成しています。

オランダは、カリブ海アンティル諸島にルーツをもつメジャーリーガーを揃え、2大会連続決勝ラウンドに進むなど、今や世界の強豪チームとなりました。この国の本質はカリビアンベースボールですが、カリブ出身者がアメリカでのキャリア後、本国でプレーし、リーグのレベルアップに貢献しています。そしてそのリーグで育った若手がアメリカのプロリーグに行くという新しい育成システムを確立させつつあります。
 最後に日本はどうでしょう。前回に続いて準決勝で敗退となってしまいましたが、優勝したアメリカと互角の戦いを演じるなど、”日本野球の底力”を存分に見せてくれました。当然、各国のレベルが上がり、今後はより厳しい戦いになります。しかし、ほぼ”国内組”の編成でしたが、スモールベースボールを基盤とした日本野球の層の厚さは、メジャーリーガーでメンバーを固めた強豪国相手にも十分戦えることを示しました。
 振り返れば、第1回から4大会続けて決勝ラウンドに進出しているのは日本だけです。準決勝の壁は大会ごとに厚みを増していますが、そのなかで第2回大会以来の決勝進出を果たすことができれば、日本は次のステージに立つことができるのではないでしょうか。

 

次回以降もますます期待できますね…!